広告賞カレンダー

朝日広告賞

広告社、協会・団体、媒体社・・・・、広告賞の主催者にも様々な業種・業態があります。
今回は「広告」を掲載する「広告媒体」としての「新聞社」主催の「広告賞」をご紹介いたします。

新聞社は、全国紙・ブロック紙・地元紙・・・と多々あり、広告賞もそれら新聞社の数と同数あると言っても過言ではありません。
ここでは、全国紙主催で若手クリエーターの登竜門にもなっている広告賞を取り上げます。

「朝日広告賞」
1952年に創設され、日本の変動とともに各時代の優れた新聞広告を顕彰し、広告文化の発展に大きく寄与してきた広告賞です。
朝日広告賞は、紙面に掲載された広告を対象とする「広告主参加の部」と、若きクリエーターが「課題」応募する「一般公募の部」の二部構成になっています。

では、幾多のクリエーターを排出してきた「一般公募の部」と、常に時代を反映しつづけてきた「広告主参加の部」の2つを有する「朝日広告賞」と、その主要受賞作についてご紹介いたします。

概要

「朝日広告賞」は、冠の朝日の説明をするまでもなく、「朝日新聞社」が1952年(昭和27年)に創設しました。テレビ開局の前年のことです。

総広告費に占める新聞広告費が70%を占めていた年の創設です。

募集するのは、勿論「新聞広告」だけです。
募集形態は2つ。
1つ目は、各参加企業から個別に出題される「課題」に、自分が挑戦してみたいテーマを選んで作品制作して応募する「一般公募の部」
2つ目が「広告主参加の部」で、指定期間内に朝日新聞に掲載された広告で、広告主がエントリーした作品になります。 双方とも、朝日広告賞1点が選出され「一般公募の部」が賞金200万円。「広告主参加の部」が賞金100万円です。

各賞の内容

一般公募の部

「一般公募の部」の贈賞内訳です。

朝日広告賞

選出:1点
賞状:◯
賞金:200万円
記念品:オブジェ(金)

準朝日広告賞

選出:3点
賞状:◯
賞金:50万円
記念品:オブジェ(銀)

入選

選出:10点
賞状:◯
賞金:10万円
記念品:オブジェ(黒)

小型広告賞

選出:若干点
賞状:◯
賞金:10万円
オブジェ(黒)小

審査委員賞

選出:若干点
賞状:◯
賞金:10万円
記念品:オブジェ(黒)小

梶祐輔記念賞

選出:1点
賞状:◯
賞金:50万円
記念品:オブジェ(赤)

朝日新聞読者賞

選出:1点
賞状:◯

※梶祐輔記念賞は、長く朝日広告賞審査委員を務めた梶さんの名前を冠した賞で、特に「コピー表現」を中心とした作品に贈呈されます。
※朝日新聞読者賞は、朝日広告賞サイト上での一般読者投票での、最多得票の作品に贈呈されるものです。

広告主参加の部

「広告主参加の部」の贈賞内訳です。

朝日広告賞

選出:1点
賞状:◯
賞金:100万円
賞杯:◯

準朝日広告賞

選出:3点
賞状:◯
賞金:50万円
賞杯:◯

朝日新聞特別賞

選出:若干点
賞状:◯
賞金:30万円

部門賞

選出:10点
賞状:◯
賞金:30万円

準部門賞

選出:10点
賞状:◯
賞金:10万円

小型広告賞

選出:2点
賞状:◯
賞金:10万円

朝日新聞読者賞

選出:1点
賞状:◯

応募要項

一般公募の部

課題選択〜作品制作〜フォーム送信〜作品送付〜審査会〜入賞作品発表〜贈呈式が、受賞までの流れです。

【タイトル】
2016年度 第65回 朝日広告賞

【応募締め切り】
2017年3月7日(火) 応募締め切り

【募集項目】
参加広告主提示「課題」に基づく未発表作品の応募。
参加広告主企業は、二部「広告主参加の部」の10部門に分類されている企業からの「課題」になります。

  1. くらし部門
  2. 食品・飲料部門
  3. 出版部門
  4. 電機・情報通信部門
  5. 不動産・金融部門
  6. 自動車関連部門
  7. 教育・公共部門
  8. エネルギー・産業部門
  9. 運輸・サービス部門
  10. 流通・エンターテインメント部門

【課題発表】

  • 先行課題発表 2016年9月下旬
  • 全課題一覧発表 第1回/2016年11月下旬 (終了)
  • 全課題一覧発表 第2回/2017年02月下旬 (終了)

【作品応募】

  • 60段上限
  • シリーズ応募可 ただしシリーズは15点以内(合計60段以下)
  • パネル貼り提出/必須
  • サイズ 2連30段はA1判
  • サイズ 15段以下 A2判
  • 小型版はシリーズ全体を1枚のパネル収録

【審査~発表】

  • 朝日広告賞本審査会 / 2017年05月上旬
  • 入賞作品発表/ 2017年07月上旬
  • 贈呈式/2017年07月中旬

2015年度の第64回の「一般応募の部」の応募総数は1306点で、最高位は「新潮社」の課題【新しい読書体験の提案】を扱った水本真帆さんが射止めました。
文庫本を物語り世界に通じる扉に見立てた3点シリーズ。
多摩美グラフィック科の4年生です。
大学生の単独グランプリ制覇は朝日広告賞始まって以来の快挙でした。

審査員
浅葉克己 アートディレクター 広告制作、CMからグラフィックまで多分野のデザインを手がける
上田義彦 写真家 日本を代表する広告写真家
葛西 薫 アートディレクター 代表作に、サントリーウーロン茶中国シリーズ、ユナイテッドアローズ等
川口清勝 アートディレクター NewYorkADCなど国内外の広告賞を多数受賞
児島令子 コピーライター TCC最高賞はじめ数多くの広告賞を受賞
小山薫堂 放送作家 映画「おくりびと」で第81回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞
佐々木 宏 クリエーティブディレクター 代表作は、ソフトバンク「白戸家」、サントリー「BOSS宇宙人ジョーンズ」等
佐藤尚之 コミュニケーション・ディレクター JIA Aグランプリ、ACC賞など受賞多数
副田高行 アートディレクター 「トヨタエコプロジェクト・ReBORNキャンペーン」など
タナカノリユキ クリエーティブディレクター グラフィックから映像、環境デザインまで様々な表現メディアを展開
前田知巳 コピーライター 宝島社の企業広告をはじめ、数多くの話題作を手掛ける
森本千絵 アートディレクター 広告CRのほか、ミュージシャンのアートワークなど幅広い分野で活動
藤井龍也 朝日新聞社 取締役(メディアビジネス担当)

広告主参加の部

朝日広告賞「広告主参加の部」の審査対象作品は、2016年4月1日から2017年3月31日までの期間に「朝日新聞」に掲載された広告で、広告主がエントリーしたものです。

【審査基準】
「優れた広告活動」を基準に、紙面としての完成度・独創性、マーケティング面でのアイデアや効果

【応募部門】
◎くらし部門
薬品・医療機器・衛生用品・化粧品・トイレタリー・化粧品通販・美容サロン・ファッション・時計・楽器・家庭用品・スポーツ用品

◎食品・飲料部門
食品・飲料・酒・たばこ・食品通販

◎出版部門
書籍・月刊誌・週刊誌・デジタル出版物・その他出版

◎電機・情報通信部門
電機・機器・通信・ITサービス・ビジネスソフト・家電・光学機器・フィルム

◎不動産・金融部門
銀行・証券・保険・その他金融・不動産・住宅・建設・老人ホーム

◎自動車関連部門
国産車・輸入車・車両販売

◎教育・公共部門
大学・各種学校・通信教育・官公庁・団体・自治体・外国政府・人材サービス・連合広告

◎エネルギー・産業部門
ガス・電力・石油・素材・建設機械・住宅設備機器

◎運輸・サービス部門
鉄道・旅行・航空・物流・ホテル・式場・観光・レジャー・サービス・外食産業・商社

◎流通・エンターテインメント部門
百貨店・専門店・量販店・総合通販・パソコンショップ・映画・興行・地上波・衛星波・音楽ソフト・ゲームソフト

2015年度の第64回の「広告主参加の部」の最高位は「宝島社」の【30段】企業広告でした。
樹木希林さんとミレイの名画を題材に「死ぬときぐらい好きにさせてよ」と、長生きばかりが注目されている高齢化社会に「いかに死ぬか」という問いを投げかけた企業広告です。

審査員
浅葉克己 アートディレクター 広告制作、CMからグラフィックまで多分野のデザインを手がける
葛西 薫 アートディレクター 代表作に、サントリーウーロン茶中国シリーズ、ユナイテッドアローズ等
川口清勝 アートディレクター NewYorkADCなど国内外の広告賞を多数受賞
副田高行 アートディレクター 「トヨタエコプロジェクト・ReBORNキャンペーン」など
タナカノリユキ クリエーティブディレクター グラフィックから映像、環境デザインまで様々な表現メディアを展開
前田知巳 コピーライター 宝島社の企業広告をはじめ、数多くの話題作を手掛ける
大宮エリー 作家 絵本やエッセイ、舞台演出、ドラマ脚本、映画監督、なども手がける
恩藏直人 早稲田大学商学学術院教授 専門はマーケティング戦略
中島祥文 多摩美術大学名誉教授 「触ってごらん、ウールだよ」のウールマーク、J.P.ゴルチェ等
原 研哉 グラフィックデザイナー 「もの」ではなく「こと」のデザインを専門としている
阿部 毅 朝日新聞東京本社 文化くらし報道部長

第64回朝日広告賞受賞作品

ここからは、第64回(2015年)の受賞作品の中からピックアップして紹介していきます。

広告主参加の部・朝日広告賞
宝島社企業広告「死ぬときぐらい好きにさせてよ」(宝島社)

緑に覆われた風景の中に静かに横たわり、何かを達観したかのような穏やかな表情を見せる樹木希林さんと、「死ぬときぐらい好きにさせてよ」という言葉が、見る人の心に突き刺さり、知らず知らずのうちに「生と死」について考えさせられてしまう作品となっています。
人生をどう生きるか?ということだけでなく、どのように人生の幕を閉じるか?ということに対して思考することも、高齢化社会を迎えた日本における人々への問題提起となっています。

広告主参加の部・準朝日広告賞
Technics SL-1200GAE(パナソニック)

1970年台の名機「Technics SL-1200MK2」と、リスペクトして作られたレコードプレイヤー「Technics SL-1200GAE」の2台を並べることで、古き良き時代を踏まえた上でのこれから向かう未来への希望や、新たな伝説への予感を感じさせる作品となっています。
1980年代、アナログレコードからCDへと時代が移り変わり、アナログレコードは市場から姿を消したかのように思われていましたが、クラブのDJが得意技とする「スクラッチ」のおかげもあり、どこか温かみのあるアナログレコードの良さが再確認されたことが、この商品の開発につながっているのかもしれません。
それぞれのプレイヤーは、一見しただけでは違いがわかりにくいというだけでとどまらず、まるで「魂の継承」のような雰囲気も醸し出しています。

広告主参加の部・準朝日広告賞 「幸福」岡村靖幸(V4)

2016年1月27日に発売された岡村靖幸のアルバム「幸福」のジャケット・デザインを前面に出した作品です。蜜柑を浮かべたお風呂に一緒に入っている親子という、一見当たり前のように見える日常の風景が描かれていることで、本当の幸福というものは、普段は見落としてしまいがちなほど、身近にあるものなのかもしれないことを表現しています。

一般公募の部・朝日広告賞
新潮社による課題「新潮文庫」新しい読書体験の提案(水本真帆)

大きな1本の樹とともにたたずむ歴史を感じさせる家、海沿いに建てられた小屋、銀世界に包まれた家。これら3つの建物に共通しているのは、それぞれの家のドアが新潮文庫の作品の表紙となっている点です。
おそらく「本との出会いが人生の新たな価値観への扉を開く」ということを、表現しているのではないでしょうか。確かに、一冊の本が人生の拠り所になったり、人生を変えるきっかけとなることは決して珍しい話ではありません。この作品からは、様々な時間や場所や季節の中で、まずは「読書を楽しむ」ことを提案しているように感じられます。

一般公募の部・準朝日広告賞
えひめ飲料による課題「スポーツに、ポンジュース。」(尾堂萌美、小泉菜美子、谷澤弥恵子)

愛媛県では「水道の蛇口からポンジュースが出て来る」ということで、とても親しまれているポンジュースに関する作品です。オレンジ色の空の下、テニスをする人たちが描かれているこの作品は、ボールがラケットに当たった時の「ポーン」と、テニスのタイブレークである「デュース」と飲み物の「ジュース」という、見方によってはベタな表現が使われていますが、むしろそのおかげで「ポンジュースの存在」を際立たせる結果となっているように感じられます。

一般公募の部・入選
キッコーマンによる課題「おいしい記憶をつくりたい。」(吉村美穂)

昭和の定食屋のような雰囲気のある店内、手書きで書かれたメニューは何故かところどころ空白が目立っており、品切れとなった訳でもなく、仕入の都合でもなく、ただただ空白となっています。
そして「あれもこれも。なかったかもしれない。」この言葉と合わさることで、記憶の中にある大切な人との食事の風景などが消えてしまっていたり、忘れてしまっていることを表現しているのかもしれません。

一般公募の部・入選
文藝春秋による課題「文春文庫」(原学人、天畠カルナ)

通りから見えるそのお店のメニューには、「銀座の寿司」「すっぽんの首」「ネパールのビール」といった飲食に関するものの他、「ねこの肉球」「アザラシの赤ちゃん」といった可愛らしいものも載せられています。
実はこのメニュー、ひとつひとつが文春文庫のタイトルでして、「たまにはタイトルで買ってみる。」という、レコードの「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」を提唱しています。新たな本との出会いのきっかけとして、「タイトル買い」もアリかもしれません。

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